「不安」にならない練習 奈良雅弘

この本は不安について「予測」から生まれる感情と捉え、予測から生まれる判断の5つの段階において、それぞれに発生するバグであるとして、そのバグに対する対処法を解説した本です。

著者である奈良雅弘さんはキャリアサイエンス研究所所長であり、人材開発、人材教育について研究されている方です。

さきほど書いた「バグ」とは、本書において過敏化、悲観化、有害化、無力化、固執化であるとされます。脳の扁桃体が興奮し、前頭前野が判断する過程を5段階に分けて、各段階に発生するバグとして分類することで、より有効な対処法はどうあるべきかを考えていくことになります。

本書では前頭前野を鍛えるワーク、扁桃体を穏やかにするワークが数多く例示されています。たとえば「パターン化された不安を見出す」という項目では、不安を感じた時、似たようなパターンはなかったか、どういう出来事で、どういう共通点があったかを見出すだけで不安に対処できるし、その機会をなくすることで、不安を減らすことができる、とあります。

これはライフログをとって、愚痴を書いていたり、メンタルの状態が悪い記録の日を探して何が良くなかったか共通点を見出すというのもありかもしれませんね。

私は雨や天候が悪いと不安になったり憂鬱になったりするみたいです。雨ばかりは避けられないですが、天気予報で雨だと言われればある程度準備はできるので有効な手法でしょう。

不安は人間に尽きせぬ悩みです。多くの人に共通する悩みであり、一読の価値はあるでしょう。

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