お金について学べる本「お金の真理  与沢翼」

この本は、無一文から純資産70億円を得るに至った著者の、お金に関する教訓、考え方をまとめた本です。

この本はこんな方におすすめです。

  • 有名な与沢さんについて知りたい
  • お金持ちにどうやったらなれるか知りたい

与沢さんってどんな人?

最初FXで日本で富豪になった方です。しかしその後会社を解散するほどの窮地に至ります。その後海外に移住し、再び大富豪になった方です。仮想通貨取引でも成功したそうです。

お金持ちになる方法とは?

「タワーマンション」「高級車」「高級腕時計」は死に金、とあります。

そういうことが書ける人というのはかなり限定されていますよね。本物のお金持ちじゃないと書けないことです。

重要なことは何にお金を使うかということを考えるということだそうです。

派手な印象が強い著者ですが、欲望に関する記述では、腹八分あたりが相当と、豪遊や将来性のない人間関係への無駄遣いについて否定的な見解を示しています。

そして小さな支出が積もり積もって大きな支出につながる、収益を吹き飛ばしてしまうこともあるなどと、派手な印象とは裏腹な、地道な金銭感覚の持ち主であることがわかりました。

  • 欲望は腹八分で抑える
  • 小さな支出を甘く見ていると大きな痛手になる

やはり、お金との向き合い方は現実的であるべきで、着実に増やしていく、無駄な支出をしないように気を付けるべきなのだと思いました。

本書には本物のお金持ちである著者ならではの記述が多くあります。とても興味深く読める本でした。

資本主義を見極めて生きる「資本主義ハック」 冨田和成

資本主義をハックしよう

この本は資本主義の性質を逆手にとって「ハック」し、最短、最速、最効率のお金の増やし方を解説した本です。

お金は誰もが欲しいものです。しかし、いろいろ頑張ってもなかなか手に入らないのがお金ですよね。

この社会は資本主義社会が占めています。著者はこの資本主義社会の性質を解説し、そしてその性質を逆手に取れば、最短、最速、最効率でお金が増やせるのだといいます。

資本主義の認識と実際のギャップをハックする

本書の中で際立つキーワードが「アービトラージ」です。

本書の中での扱いは、多くの人が抱いている認識と実際のギャップ、そこを狙った行動をとることが大事だといいます。

個人の持っている資本には人的資本、金融・固定資本、事業資本があるといえますが、そのうち人的資本のなかで代表的なのは「時間」です。誰でも自分の持っている時間を切り売りしたり、何かに変えてお金を得ることはできます。

本書では、時間は重要なことに使うべきだとし、一番目に重要なことと、三番目に重要なことがあるなら、三番目は一番目に重要なことを行うのに妨げていないか問いかける必要があるといいます。

そして、住居も勤務地になるべく近いところにする。これは移動時間のロスは避けるべきだからだそうです。移動時間中は本などを読めればいいですが、やはり無駄な時間になることが多いですよね。

そして、家事や仕事などをアウトソーシングする。外注化するということです。仮に今給料が低くてアウトソースするより自分でやったほうがよさそうに見えても、その時間を収益を生み出す分野の学習に充てるなどをすれば長期的には大きなリターンが期待できます。

資本主義が怖くなくなる、刺激的な本

その他不動産投資や株式投資など金融の専門家である著者ならではのハックが満載の、資本主義社会があたかもゲームであるかのような感覚になる、とても面白い本です。

 これからの思考様式。「ニュータイプの時代」山口周

オールドタイプとニュータイプ

この本は、これからの時代に求められる人物像としてニュータイプ、これまでの時代の求められていた人物像をオールドタイプとし、その対比を描いています。

その対比から、これからの時代を生き抜いていくための思考法、行動様式を解説した本です。

6つのメガトレンド

まず、筆者はこれからの時代の傾向として6つのメガトレンドを挙げています。

その一つとして、正解ばかりがあって、問題が滅多にない時代が来るとしています。

すると、正解をただひたすらこなすだけのつまらない仕事ばかりになる、と言います。

そのような時代の中では、ただ正解を追いかけるのではなく、問題意識をもって、自分の価値観を問いかけ、自分の居場所を探していく能力が必要になるといいます。

時勢を見極め、自己を最適化し、最大化するのではなく、自分にとってどうなのかを問いかけていくことが大事になるようです。

そのような居場所を見つけるためには、逃げることも戦略として取り入れるべきであるし、試行錯誤を繰り返すべきだとしています。

そして、複数の組織につながっていくことも取りうる戦略でしょう。

自己の居場所探しと終身雇用

これはいわゆる受験競争に勝って、一流企業を終身勤め上げるという戦略とは違うようです。

終身雇用のもと、退職金が最大化したり、転職下降スパイラルを避けられるので、この戦略は長い間日本で中心的な戦略であったと思います。

しかし、ニュータイプの思考様式なら、自分の価値観を問いかけながら、自分にとって居心地の良い場所を探し続けることが大事になるのでしょう。

9割会計士。1割ロックスター。

一方で、会計士90%、ロックスター10%というナシーム・ニコラス・タレブの言葉も引用している個所もあります。

つまり、安定した職業に就きながら、当たれば上昇幅の大きい、つまりロックスターのような職業に同時に就いておくのもいい戦略であるとしています。

ここでは職業、キャリアプランの部分に焦点を当てましたが、本書は多岐にわたる論点で新時代に向けた考え方を説いています。複雑な現在の世相を見事にとらえた本といえるでしょう。