ビックスリーからユーチューバーまでわかるお笑い文化史
今回ご紹介するのは「すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった 太田省一」です。この本はお笑いの草創期から現代のユーチューバーに至るまでの過程を描いたお笑い文化史で、お笑い好きの方や動画配信を行っている人に参考になる本です。
サンドイッチマンがさんまを好感度で抜いた。これはお笑いの歴史において大きな変化が起きている証だと本書は述べています。
ご存じのとおりタモリ、明石家さんま、ビートたけしは長い間テレビにおいて活躍している芸能人です。
彼らの活躍を本書では描いています。また、それぞれの芸風の違いや、それが形成されてきた過程がわかります。そして、その後ダウンタウン松本人志の登場、彼のお笑いビッグスリーとの芸風の違いや共通点を理解できます。
やがて彼がM1というお笑いのコンテストの審査員を務めることになります。つまりお笑いのスタンダートととも言える立場になるわけです。
すると彼が審査したM1芸人が台頭するようになりました。その中にサンドイッチマンもいます。彼らが明石家さんまを好感度で抜いたというのは非常に大きな変化がお笑いを見る視聴者層に起きていると本書では分析しています。
本書にはユーチューバーについての記載もあります。彼らのコンテンツには「○○してみた」のように、ただなにかをやってみるだけの動画という定番ジャンルがあります。そこにはオチがない。おそらく、ただオチのないユルい空気感だけを楽しんで眺めるだけの視聴者層が多数増えているのです。
テレビとYouTubeの違いとは?
テレビは戦場で、必ずオチがあるのがお笑いなら、ユーチューブの動画視聴者層はいったい何を求めているのか。本書を読まれるとその点がよりわかるでしょう。
日本のお笑いが一読でわかる
この本を読むことで日本のお笑い文化の変遷、視聴者層の変化がわかります。動画配信やマーケティングをしている方などにはおすすめです。