超訳 自省録 よりよく生きる エッセンシャル版 マルクス・アウレリウス (著), 佐藤 けんいち (翻訳)

みなさんには座右の銘というものはありますか。名文、座右の銘というのは心に携えているだけで人を強くしますよね。

今回は、自省録という名著を、わかりやすくまとめた入門書をご紹介したいと思います。

この本を読めば、人それぞれの座右の銘、名文を見つけることができるはずです。

そして、その言葉が心のコンパスになるでしょう。では、見ていきましょう。

自省録はローマ皇帝の瞑想記録ノート

この本は、古代のリーダーが独り葛藤しながら、自らを律していく姿に啓発される、自己啓発的な名文集です。

マルクス・アウレリウス・アントニウスはローマ皇帝の中で「五賢帝」と称されるほど、評価の高い治世を行った皇帝とのこと。

この自省録は彼が寝る前に書いていた瞑想記録ノートなのだそうです。

様々な珠玉の名文の数々

自省録は歴史的に名著とされ、クリントン元大統領の愛読書なのだとか。

ネルソン・マンデラもこの本を読みながら獄中生活を耐え忍んだとのことです。

そのような名著をわかりやすく、トピックごとにまとめてくれている、入門書的位置づけの本です。

「人生最後の仕事であるかのように取り組め」という一文がありました。

日々最後の日であるかのように取り組むべきだといったのはスティーブ・ジョブズでした。

彼との共通点があるようで面白く思えました。

そして、「コントロールできるのは現在だけ」という部分。

仏教的な、過去や未来にとらわれてはいけないという東洋思想のようです。

なぜローマ皇帝が東洋思想的な考えを持っていたのか、偶然ですが興味深く思えました。

また、「処世術はダンスよりレスリングに似ている」というのも、不意打ちが多い人間関係のコミュニケーションからすると、そうだなとうなずける一文でした。

古典なのによみやすい構成の本書

古代のリーダーが独り瞑想しながら自らを律していく姿は、きっと読む人をはっとさせるはずです。その言葉一つ一つに厳しさと、優れた理性を感じさせます。

きっと読まれた方は、心に残る言葉を得られるはずです。

古典的名著というハードルの高い書物を手に取りやすくしてくれる本書。読みやすい構成になっています。ぜひお手に取ってみて下さい。

やりたいことを全部やる!メモ術 臼井 由妃

頭のモヤモヤ、消しましょう。

なんとなく雨の日が増えてきましたね。

頭の中がモヤモヤしたりしませんか。子供のこと、仕事のこと、様々なことが頭に浮かんでくるものです。

今回は、思考を整理して大事なことにフォーカスすることで、やる気がアップし、問題を解決できるようになる本のご紹介です。

この本を読むことで、読者はメモを取る習慣を身に着け、思考を整理できるようになります。

メモを書いて、脳内がスッキリ

本書は、メモを書いて、思考を整理して、何にフォーカスすべきを自分で理解できるようにする方法を解説した本です。

例えば、最近買ったものをメモしてみましょう。

そして、それが消費、投資、浪費のどれだったかマーカペンで色分けしてみましょう。

自分が結構浪費をしていることに気づけるかもしれませんね。

また、寝る前にTODOを書いてみましょう。その時には明日の自分にあててボールを投げるような気持ちで書いてみましょう。

すると、遠い将来の願望のようなものを書かずに、明日必要な行動を書けるようになります。

ストレスになっている人間関係リストを作りましょう。いやな人間関係に気づけるはずです。

いやな人間関係があれば、捨てて整理しましょう。

そして、大事なことにフォーカスしましょう。

メモの効用を再発見できる本

このように、本書を読めば思考を整理できます。そして、大事なことにフォーカスできます。メモってやっぱりいいツールですね。

まずは本書を手に取ってみましょう。ところどころにある図表やメモの例はわかりやすいです。

参考になるトピックは実際にやってみるといいでしょう。

常識にとらわれない100の講義 森 博嗣

有名小説家、森博嗣さんの本

森博嗣さんをご存じでしょうか。「すべてがFになる」という小説は有名ですね。スカイ・クロラという作品は映画にもなりました。工学博士の方で、理系の人ですが、小説家なのはすごいですね。

今回は、小説家を目指す方や、小説が好きな方におススメの、有名小説家が書いた本をご紹介します。

この本のメリットは、まず小説家である筆者のファンなら知りたいであろう、筆者の考え方、小説家とはどんなことを考えるのかということがわかる点です。

この本は、常識にとらわれない発想の大事さを教えてくれる、小説家である筆者のエッセイであると同時に講義のようなエッセイです。

鋭いインスピレーションが生んだ講義の数々

この本の構成は、筆者が普段からメモしていた短い文章に対して、説明書きをつける、という構成で成り立っています。

たとえば「海外の小説を読まない人が多い。グローバル化の反対である。」とか、「値段というのは、売るほうが決めるものである」、「わかった振りをする人と、わからない振りをする人がいる。」などのように、各項目は短文を冒頭に掲げることで成り立っています。

そのうしろに説明や解説がつく、という講義形式のエッセイになっています。

固くなった脳みそを解きほぐしてくれる内容

この冒頭の短文がなかなかよいです。森博嗣さんの独特の発想力に基づく文章に、だんだんと固くなった脳みそがほぐされていくことでしょう。

ちょっと発想力が乏しくなってしまったかなという一般の方だけでなく、小説家のような、クリエイティブな文章を書く方にも、発想の展開を参考にするという意味で役立つでしょう。

この本はファンの方や、小説家を目指している方には、筆者の世界観を知るのによい本です。ぜひ手に取ってみてください。