常識にとらわれない100の講義 森 博嗣

有名小説家、森博嗣さんの本

森博嗣さんをご存じでしょうか。「すべてがFになる」という小説は有名ですね。スカイ・クロラという作品は映画にもなりました。工学博士の方で、理系の人ですが、小説家なのはすごいですね。

今回は、小説家を目指す方や、小説が好きな方におススメの、有名小説家が書いた本をご紹介します。

この本のメリットは、まず小説家である筆者のファンなら知りたいであろう、筆者の考え方、小説家とはどんなことを考えるのかということがわかる点です。

この本は、常識にとらわれない発想の大事さを教えてくれる、小説家である筆者のエッセイであると同時に講義のようなエッセイです。

鋭いインスピレーションが生んだ講義の数々

この本の構成は、筆者が普段からメモしていた短い文章に対して、説明書きをつける、という構成で成り立っています。

たとえば「海外の小説を読まない人が多い。グローバル化の反対である。」とか、「値段というのは、売るほうが決めるものである」、「わかった振りをする人と、わからない振りをする人がいる。」などのように、各項目は短文を冒頭に掲げることで成り立っています。

そのうしろに説明や解説がつく、という講義形式のエッセイになっています。

固くなった脳みそを解きほぐしてくれる内容

この冒頭の短文がなかなかよいです。森博嗣さんの独特の発想力に基づく文章に、だんだんと固くなった脳みそがほぐされていくことでしょう。

ちょっと発想力が乏しくなってしまったかなという一般の方だけでなく、小説家のような、クリエイティブな文章を書く方にも、発想の展開を参考にするという意味で役立つでしょう。

この本はファンの方や、小説家を目指している方には、筆者の世界観を知るのによい本です。ぜひ手に取ってみてください。