心を休める習慣 植西聰

この本は休息をとることの必要性、心を休ませるための様々な方法を解説しています。

著者は資生堂に勤務し、独立後産業カウンセラーを取得された方です。働く人のカウンセリングをするスキルをお持ちの方なので、本書は疲れた方に語りかけるような優しい文体で構成されています。

本書で「休む」は重要ワードで、とにかく、少しでいいから休むことが重要なのだそうです。50分働いたら少しでいいから休むなど、休憩を入れないと作業効率はかえって落ち、長い人生であるからには、休みながら、計画的に人生を歩んでいくことが肝要なのだそうです。

さまざまな休むための具体的なやり方が書かれています。ヒーリングミュージックを聞く、ぼんやりしてみる、勝ち負けにこだわらず譲っていくなど、心に優しい生活習慣、心がけについて解説しています。

その中で私が気になったのは「自分の中の主人公に語りかける」というものです。「主人公」という言葉は、もともと禅の言葉とのこと。「主人公よ」と禅僧は自らに問いかける、そして、禅僧は禅的答えを得るのだそうです。つまり、心に問いかける、心はどんな状態なのか確認することは、心を休める必要があるか気づくための第一歩だと思えました。

本書はビジネスマンに限らず、進路に悩む学生、人間関係に悩む方、さまざまな問題に悩んでいる方、あるいは、単に作業効率を上げたい方など広くおすすめできます。